ありがとうございました。 2012/07/08 [スタッフ日記]
グランドキャニオン・コロラドリバーの旅のゴール地点で撮った写真。
長々と綴らせてもらった日記もこれで最後です。
そして、この日記をアップすることが僕の最後の仕事となりました。
ご存知の方も多いかと思いますが、
本日をもって、約10年勤務してきたこのICI石井スポーツグループを退社致します。
多摩川から始まったカヤックでした。
ハワイ、知床、津軽海峡、玄界灘、グランドキャニオン・・・。
川に海に、雑誌で連載をさせて頂いた 東京を含む各地の運河。
様々な場所を漕ぎましたが、その全てに人との繋がりがあって、
そんな出会いをきっかけに 今までのフィールドから 新しいフィールドへと
導いてもらいました。
石井スポーツという会社で働いたお陰で、
お客様、メーカの方々、そして それぞれのフィールドで活躍しているガイドの方々。
そこにはカヤックの世界だけではなく、
海や山や雪山を楽しんでいる人達も沢山いました。
多くの出会いのお陰で、今の自分があります。
カヤックから多くを学び、職場で多くの出会いを頂き、
フィールドでは 経験を共にした多くの仲間ができました。
そして、フィールドへ いつも温かく送り出してくれる
スタッフのみんなには多くの迷惑を掛けしました。
退社後はアラスカの川へと行ってきます。
皆さんとまた、どこかの水の上、
また、アウトドアというフィールドで会えるのを楽しみにしております。
今まで接してくれた全ての方々へ、
改めまして、ありがとうございました。
2012/07/08
大内 直紀
カヌー・カヤック商品の販売終了 2012/06/24 [スタッフ日記]
原宿店でのカヌー・カヤックの販売は、本日をもって終了致しました。
販売最後の今日、沢山の方にご来店を頂きました。
スカスカの店内となった今、少し寂しい気持ちはありますが、
その分、皆様に 「 ありがとうございました。」 と 言えたということです。
まだ、残務は少し残っておりますが、
今まで石井スポーツをご利用頂きました 全てのお客様に
「 ありがとうございました。」
大内 直紀
グランドキャニオンのブログはあと少し、続きますー。
GRAND CANYON KAYAK TRIP 23 2012/07/08 [Grand Canyon kayak trip]
この楽しさを、これからも探求していこうと思います。
自分にとって、挑戦的要素の強かったこの遠征。
「 リバーカヤック 」 で漕破しましたが、無事にこの旅を謳歌できたのは、
海での経験、「 シーカヤック 」 があってこそでした。
カヤックという乗り物が結んでくれた 経験やフィールド、そして 縁。
いつの時も、楽しみながら、
それらを大切にしていきたいと思います。
オオウチ
GRAND CANYON KAYAK TRIP 21 2012/07/03 [Grand Canyon kayak trip]
『 サンタが谷にやってきた 』
クリスマスの朝、僕らはこの日のために ずっと食べずに残していた
フルーツ缶でクリスマスのお祝いをしました。
久しぶりに食べた甘くてみずみずしいフルーツは
じゅわーっと胃の中にしみわたり、最高に美味しい。
食べてしまうのがもったいなくて、少しずつ。
キャビアでも食べているような、そんな感じの贅沢でした。
久しぶりのフルーツの味にほんのりセレブ気分でいると、背後に殺気を感じ
振り返ると、汚い短パンにタイツの「サンタ」さん がいました。
完璧に着こなしているエド。
この日の為に、ドライバックの底に、こっそり隠し持っていたそうです。
うちらのお父さんみたいな存在。
パドルに鈴を結びつけ、漕ぐたびにシャンシャンと
かなりシュールです。
とっても暑かったそうです。
エドのお陰で、一生忘れられないクリスマスになりました。
ちなみに、これが 『 クリスマスツリー 』 とのこと。
エド、ありがとー!!
オオウチ
GRAND CANYON KAYAK TRIP 19 2012/06/30 [スタッフ日記]
GRAND CANYON KAYAK TRIP 17 2012/06/29 [Grand Canyon kayak trip]
とある支流の流れ込み。
ずっと赤茶けた川の上を進んでいたから、この川の色を不思議に思い、
吸い込まれるようにその奥へと遡りました。
奥には小さくて小回りの利くカヤックでしか入れないと思います。
なので、しばらくこの空間を独り占め。
水のサラサラ音が反響していて、かなり神秘的な感じでした。
しばらくして、みんなと合流してから散策の開始。
現実離れした、ミルキーな流れを眼下に見ながら
崖をたどって行きます。
日が差し込むと、白濁した流れが何とも言えない光を発し始めます。
流れに石灰質が多く含まれているとのことですが
「 なぜ? 」とか、あまり難しいことは考えず、ただこの光景にやられていました。
この日が川から最も岸壁の奥へと潜り込んだ日でした。
そして、素晴らしい景色の連続でした。
歩いていてずっと楽しかったのです。
安い表現ですが、見たこともない景色に圧倒される為に
カヤックをやっているのかもしれません。
そう思わせた場所でした。
オオウチ
GRAND CANYON KAYAK TRIP 16 2012/06/22 [Grand Canyon kayak trip]
25日間風呂なしという僕らには、夢のような噂がありました。
『 パンプキンスプリング 』 という名の温泉があるらしい・・・。
グランドキャニオンの谷底で、温泉に浸かりながらビールを1杯!
想像しただけで、気が狂いそうなくらいの贅沢です。
「 コレ、かぼちゃっぺー 」
かぼちゃ = パンプキン
キラーン
意気揚々と上陸して、調査開始。
結果、
「 なまぬる~い 」
オオウチ
GRAND CANYON KAYAK TRIP 15 2012/06/22 [Grand Canyon kayak trip]
GRAND CANYON KAYAK TRIP 14 2012/06/22 [Grand Canyon kayak trip]
『 亡霊の牧場 という名の秘境 』
コロラドリバーを下っていると、1回だけ大きな人工物である 『 橋 』 に出くわします。
人工物にまったく遭遇しない今までの状況に喜んでいた自分でしたが、
いざ人工物を目にすると、ホッと安心している自分がいました。
「 人工物だー 」
なんて見上げていると、なんと馬のような動物の影が重たい荷物を両脇に抱えて
橋を列になって渡ってきました。
この馬なのかロバなのか分からない動物・・・、
それもそのはず、馬と、ロバの混血の 『 ラバ 』 。
( 現地ではミュールと呼ばれていました。)
車道のないグランドキャニオンでは、このラバがいくつかあるトレイルで
大活躍しているそうです。
そのラバの後を追うように急いで岸に上陸すると、
ここは 『 ファントム ランチ 』 と呼ばれる小屋泊まりもできるキャンプサイト。
全米で、もっとも予約の取りにくいキャンプサイトの一つだそうです。
断崖に囲まれ、ポツンとあるこのサイト。
人と遭遇したのがめちゃくちゃ嬉しかったのですが、
川を下ってきた僕らを、英雄の様に扱ってくれる人もいれば、
野蛮人の様に煙たく見る人もいればと、反応も様々。
『 PHANTOM RANCH WELCOMES YOU 』
この文字は嬉しかったですね。
あとはキンキンに冷えたコーラ。
シュワシュワーと、最高に旨かったです。
中がまた、めちゃくちゃかわいい、というか素敵な空間になっていて
管理している人達の愛情をたっぷり感じる飾り付けが随所に見られました。
写真の真ん中に見える皮の鞄。
これは郵便ポストで、ここに手紙を入れると、さっきの ラバ達が
えっちらおっちら運んでくれます。
川からきた僕らはみんなここで手紙を書きました。
ファントムランチの押し印の付いた 家族に宛てた手紙はしっかりと、
断崖を越え、海を越えて、日本まで届いていました。
その手紙を見ると、健気に荷物を運んでくれているかわいいラバと、
ファントムランチの素晴らしい景色を思い出します。
オオウチ
GRAND CANYON KAYAK TRIP 13 2012/06/12 [Grand Canyon kayak trip]
僕らがコロラド川の生活に体が多少慣れてきて、少し余裕が持てた頃、
オーストラリアから来たBBQマスターの フィル だけが重たい顔を常にしていました。
理由は、体にポツリと痒みを伴う湿疹の様なものができ、
日が経つにつれてそれが全身に広がっていき、痒みが痛みへと悪化し
夜もほとんど寝られない日が続いたそうです。
エドが初めて衛星電話を使い、フィルの症状をナショナルパーク局へと伝えると、
直ぐにヘリを飛ばすから今いる場所で待っていろとのこと。
エドが悲しい顔で僕らに伝えたのは、
「 フィルとはここでお別れだ。
彼にはヘリの迎えがきたらラスベガスの病院に行ってもらおう。 」
フィルも相当辛かったのでしょう、
その言葉を聞いて、すごく安心した顔をしていました。
この時、途中で仲間が離脱するということを初めて味わいました。
もう味わいたくないです。。
後日談ですが、フィルはこの時 グランドキャニオンの空中遊泳をたっぷりと
楽しんだとのことでした。
そして、ラスベガスの病院では全身の皮を一皮剥かされたそうです。。
オオウチ
ファイナルセール 2012/06/15 [お知らせ]
以前、コチラのブログにて報告させて頂きましたが、
原宿店でのカヌー・カヤック商品の販売は、24日をもって終了致します。
そして、終了の後、準備が整い次第 北海道の伏古【 フシコ 】 店へと
商品は全て移動します。
前回の 「販売終了」 の報告の後、本当に多くの方にご来店頂き、
様々なお声を頂きました。
直接お会いし、お話が出来たことに、心より感謝しています。
東京での最後の販売となり、感謝の気持ちと共に行っている
【 ファイナルセール 】 は今日を含め、残すところあと10日となりました。
展示中の艇本体や、冬物等もご好評を頂いております。
まだまだお買い得なものも見付かると思います。
皆様のご来店をお待ちしております。
(遠方の方は通信販売も承っております。 お問い合わせ下さい。)
オオウチ
GRAND CANYON KAYAK TRIP 12 2012/06/12 [Grand Canyon kayak trip]
『 絵みたいな景色 』
スタートしてから数日後、少し早い時間帯で上陸をした日がありました。
疲れが溜まってきたのと、断崖にキレイな四角い穴が数個あるのを発見し、
その穴を散策しに行こうとなったのです。
その四角い穴を目指して、初めてグランドキャニオンの断崖を登ったのですが
その時に見えた景色の素晴らしさが、今でも脳裏に焼きついています。
僕には初めてカヤックに乗った頃から
『 こんな川、こーいう川を下ってみたい。。。 』 という想像上の景色みたいなものが
頭の中にありました。
そして、そんな 「 桃源郷 」 の様な景色が
崖を登っている最中ずっと、眼下に広がっていました。
想像とかなり似ていたけれど、現実が壮大すぎてどこか現実味がなく、
まるで 『 絵 』 を眺めているようでした。
明らかに人が作った規則的な四角の穴。
この穴は、高度な文明を築きつつも、12世紀初頭に忽然と姿を消したといわれている
アナサジ族の住居跡だといいます。
中に入ると、かなり大きな部屋になっていて、
またもや 遥か昔の人達の生活に思いを馳せてしまいます。
かなり長い時間、ここで景色を眺めていました。
オオウチ
MTV 進出? 2012/06/12 [動画]
プロスケーターと面白いことしてます。
前に乗るスケーターの バム・マージェラー は MTV や Jackass のスター。
カヤックが、海外の人気番組の MTV や Jackass のネタとして
扱われるようになるのは嬉しいことですよね。
ところ変わって 『 笑えない 』
スティーブ達のコチラの映像も気になるところ。
オオウチ
GRAND CANYON KAYAK TRIP 11 2012/06/08 [Grand Canyon kayak trip]
『 洗礼 』
激流と呼べる瀬が160も存在するコロラドリバー。
川の特徴として、スタート地点のリーズフェリーから徐々に流れの激しさは増していき
20日目くらいをピークとして、日に日にそのグレードが険しくなっていきます。
『 徐々に険しさが増す 』 というのをゲームとして捉えると、ドラクエやスーパーマリオ
みたいな感じに時間をかけて経験値を積み、ラストのボスに挑めるということ。
長い時間を経て、体がコロラドリバーに慣れ、成長して、
そこで最大の瀬を迎えられる。
「 勝負はまだまだ先だぜ! 」
「 今はウォーミングアップの時だぜ! 」
そんな風に思っていた スタートしてからの2日目。
僕等は早々にコロラドリバーの手厚い洗礼を味わうことになりました。
下に続く連続の写真は 村石 太郎 さんから頂きました
まだまだ周りのスケールに感覚が合っていなく、
大したことがないと思えた瀬。
近づくととんでもなく大きなホールで、
仲間の荷物満載のラフトボートが吸い込まれたと思ったら軽々と宙にハネ上がり、
そのまま横転。
しかも、長い時間ボートはホールに捕まったまま。。
僕は上流で待機していましたが、荷物が一つ、また一つと流されていく中に
小さな人影を発見し、レスキューへ。
自分も瀬の中でカヤックごと宙にポンポン跳ね上げられ、
コントロールを失いましたが、その時意外と冷静だった自分に自分が驚きました。
小回りがきくカヤックの自分が沈をしたら、レスキューはさらに時間が
掛かってしまう。
急ぎつつも慎重に、パドルで水を掴む所をしっかり見定めていた感じでした。
何とか投げ出されたメンバーへと辿りつき、岸へ。
そして、逆さまになった荷物満載のラフトボート。
上の写真の通り、スーパーヘビー級のラフトボートを元に返すのは一苦労。
場所探しや、ロープの確保、何度も失敗を繰り返し、元の状態に戻るまで
約1時間半を費やしました。
失った荷物は、食器やほぼ全ての鍋、巨大ランタン、浄水器、野菜ジュース、等。
個人の荷物や装備品の流出がなかったのは不幸中の幸い。
でも、ドライバックの中に入れていて大丈夫だと思っていた僕の荷物だけ
すべて浸水によりズブ濡れに・・・。
寝袋、テント、着替え、マット、財布に至るまで、綺麗に全部ビッショビショ・・・。
結果、上の写真の通りお祭りに。
お時間のある方は僕のパンツ、探してみてください。。
この日の夜は濡れたテントで、濡れた寝袋に滑り込み、
パドリングの格好でご就寝。
よくもまー、風邪を引かなかったものです。
オオウチ
GRAND CANYON KAYAK TRIP 10 2012/06/05 [Grand Canyon kayak trip]
ラフトボートと共に旅をする大きなポイント。
カヤックの定石 『 軽い &コンパクト』 という言葉とは対照的に
『 重くて ・ 丈夫で ・ ジャンボ! 』 という荷物が楽に積載可能です。
プロパンガスタンクに、BBQ用の鉄板、そしてギャートルズ顔負けの肉の塊。
お陰で氷点下の気温の下、グランドキャニオンの谷底で
毎晩豪勢な BBQ が催されました。
胃がムカムカされるかもしれませんが
ザ・カロリーな谷底でのお食事を、下記よりご覧下さい。
漕ぎまくりの日々だった為、毎日こんな食事をしていても
体重は3kgほど減りました。
そして、鏡で自分の姿を見てうっとり。。
鏡を見ながらホッピー 5杯はイケますね。
人生で1番いい体をしてました。
オオウチ
おきあがりこぼし 2012/06/05 [スタッフ日記]
ポップな外見とは裏腹でかなり機能的?
その復元力に驚きました。
コレを作ろうという思考回路と、それをクラス5で実行。
そんな文化がバックグラウンドにある異文化に
ちょっぴりジェラシー。
利根川下ってみたいですねー。
オオウチ
GRAND CANYON KAYAK TRIP 9 2012/06/02 [Grand Canyon kayak trip]
『 Red Wall Cavern 』
左右の断崖にはシマシマの地層がびっしり見える。
赤い所が「 レッド・ウォール 」 と呼ばれる地層。
このレッドウォール地層は3億4000万年前のもので、
岩の鉄分が酸化したために赤くなっているそう。
グランドキャニオンは世界屈指の化石の宝庫。
この断崖の一番上の地層は2億5000万年前の地層で、
貝やサンゴの化石があるらしい。
なので、2億5000万年前はここが海の底だったということになる…。
人の一生とは別次元の長さを生きている地球の年齢が刻まれた断崖。
一応そのことを頭では理解して、考えて、想像して、
また考えては 遠くの過去を想像してみるけれど、
結局のところ訳が分からなくなります。
そして、ただただ唖然と、ポカーンと口を開けて、
時には「 オォー!」とか言ってその断崖を見上げまくりの毎日が続きました。
やがて、目の前に現れた巨大な空洞。
『 Red Wall Cavern 』 と呼ばれるこの空洞のスケールは写真からだと
どうにも伝わりにくいですが、
東京ドームがすっぽりと収まり、約5万人が収容できるそうです。
奥行きが200m強もあり、奥へは砂地をハァハァと息を切らしながら
やっと辿り着く感じでした。
ちなみに、海外のホワイトウォーターパドリングマガジンでは一番知られている
『 Kayak Session 』 の最新号でも上の写真の様に紹介されていました。
コロラド川の旅の行程での一つのランドマーク的な存在ですね。
近づくと、そのスケールが徐々に伝わってきますが、
この空洞を削り出したコロラド川のパワーが凄まじかったというのも分かりました。
そして、静かで 少しヒンヤリしていて、すごく神秘的な場所でもありました。
すごい所に、漕いできました。
オオウチ